小太刀賢のアーティチョーク茹でました

役者・小太刀賢が、日記のような週記のような、日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログです

雨にも負けず

みなさん、こんばんわ。

 

日中は暖かかったのに今は寒いですね、春ですね。思いの外雨が強くて長くてげんなり。傘だってないもんで、どうしたらいいのやら。

 

今、村上春樹の「海辺のカフカ」を読んでいる。大学生の時に一回読んでいるんだけどもうだいぶ前のことなのでほとんど内容を覚えていない。だから随分新鮮に読んでいる。といってまださわりくらいだけど。

 

作品の最初の方に主人公が、「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ。」という箇所がある。この「タフ」っていう言葉が、最初に読んだ時より心に引っかかる。

 

「タフ」って強いってことなのだろうが、それは身体の強さだけってことではない。どうしてもタフガイが頭に浮かんで、筋骨隆々な人を想像しちゃうけど、それだけじゃなくて、精神的な部分での強さも含めてってことなはずだ。この精神的な強さって、何がどうだったら強いと言えるのだろう。気持ちが折れないっていう固められた強さもあるだろうけれど、弱さを知るというか、ぐにゃぐにゃ折れ曲がってもポキッとはならないというのも強さの一つであるかもしれない。柳に雪折れなしというか。

 

レイモンド・チャンドラーフィリップ・マーロウシリーズにも、タフが出てくる有名な言葉がある。

「タフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」

このタフさは身体的にも精神的にも頑丈であるってことだとは思うけど、優しくあるためにはその頑丈さは必要であろうという意味合いにとれる気がして、なるほど強くあることは優しさに通じるのだなと思う。

 

タフでありたい。それはどのような強さにおいても。まずは雨にへこたれないところから。