小太刀賢のアーティチョーク茹でました

役者・小太刀賢が、日記のような週記のような、日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログです

営み、生活

みなさん、こんばんわ。

 

前にブログで書いた気がするが、僕は団地が好きだ。団地住んでいたことはないから内のことはわからない。だけど団地そのものの存在、佇まいを魅力的に感じている。なんでそう感じているのかその理由を考えてみて、結論としてはそこに営みとその積み重ねを感じるからだという個人的見解に至った。ただの建物ではないそこには住んでいる人の生活が滲み出ている、そしてその生活が見えない地層となって積み重なっていき、空気の繭のようにその団地をすっぽり覆っている。その団地の「様子」に僕は惹かれているのです。

 

若い頃、日本の街並みがあまり好きじゃなかった。まとまりがなく雑多な様子に見えて、どうしてもっと計画性を持って街づくりできないのだろうと感じていた。ヨーロッパの街並みはああも整っていて街全体がひとつの芸術のようになっているのに、どうして日本はそうでないのか。いっそ一から作り直せたらいいのに、とそこまで過激ではないにせよ、そう思いを馳せることはあった。

それでも別に日本から出てヨーロッパに住むわけでもなく、日本の暮らしを享受して謳歌してここまで生きてきた。そうすると考えも変わるもんで、段々と日本の街のまとまりのなさが良くなってきて、むしろまとまりがないというまとまり方をしているように見えてむしろ好きになってきた。

なんでこういう気持ちの変化が起きたのか考えてみると、街全体に人間の営みを感じるようになったからだった。街というのはパズルのように作られたのではなく、人々の生活が集まることで街として成り立ってきたのだ、そういうことを感じるようになってきたからなのだ。そしてそう感じるようになったのは、僕が一人暮らしをするようになって、自分で自分の生活を営むことでようやっと周りの営みが目に映るようになったからなのだった。

 

僕は営みに強く惹かれる。それは団地であり、それを含む街であり、そういったものに心惹かれる。あぁ生きているんだな、そのエネルギーから、みんなが生きているなら僕も生きてみるかと勇気をもらっているのかもしれない。なんかそんなことを考えた。