春のタンまつり「透明人間、消える」
みなさん、こんばんわ。
「たすいち春の短編まつり」、本日は「透明人間、消える」をご紹介。
出演者は、大森さつき、鍛治本大樹、北川理恵、中村桃子。
たすいちでも結構上演されてる演目ですね。なんたって神奈川かもめ短編演劇祭で2位になった作品ですからね。しっかりとした強度がありますよ。
この作品、3人バージョンだった時から見てるんだけど、やっぱり面白いんですよ。バランスがいい。題材とか物語のはね方とか役の個性とか、一つ間違えると形を保てなくなるような、絶妙なバランスで形成されてる作品だなと思う。あとタイトルが秀逸。
さて今回の「透明人間、消える」、僕が見て思ったのは、作品の立体感がすごく心地いいなということでした。単純にね、面白いんですよ、みんなパワフルだしテンポいいし。でもそれだけじゃなくて、これは彼ら彼女らの人生の一瞬を切り取ったものなんだってのが無意識に知ることができる。それぞれがどうこの瞬間までを生きてきたか、それを想像せずにはいられなくなる。そういった作品の奥行きを自然と想像させるような情緒がそこにはあるような気がするのです。
あと面白いのが、みんながみんな動きが細かいんですよね。今主に話を回している人の後ろでそんなことしてたんかい、みたいな発見が随所にある。なので見ていて飽きないというか、次はこの人に注目してみよう、次はこの人、みたいに楽しめるポイントが多い。今回アーカイブ配信期間中は何度も見れるわけで、そうやって注目する人を変えながら見るってのも面白いですよ。
そいでは昨日とおんなじ様に、個人的な好きポイントを書いていこうかな。
りえちゃんは、基本的に全てツボなんだけど笑、やっぱり最後かな。あの声に乗っかってるものと、そして表情、というか目。あぁ演劇に真なるものがあるんだなってのをひしひしと感じた。あれは震えるなぁ。
鍛治本さんは、はじめの方にある長台詞のとこに痺れる。人って、あんなにもそこに在ることが出来るんだっていう衝撃。なんだろう、言葉にし難いのだけど、芸事とはかく在るべき、みたいなのを勝手に感じました。画面の向こうに広がりを感じる。
ももこはね、これ本人が嬉しいのかわからないんだけど、すごく地に足ついていた。彼女が演じた役って、ともすればちょっとズレがちなんだけど、ももこだとそうならない。なのに違和感がない。これは彼女のパーソナルの成せる技で、武器だなって思う。
さっちゃんは、なんかあの役に説得力があった笑 なんだろ、役との距離感が丁度良くて、役が少し変わっているのに見ているこちらはすんなりと受け入れられる。違和感なく受け入れられるのに、物語としては違和感として感じられる。なんか不思議な感じ。あと「やー」の声色が好き。
…書いてて思ったのだけど、なんか上から目線みたいに見えるかな…そんなことないですからね…いいなぁって思うところ書いてるだけなんですよ…!
というわけで、本日までのが14時の回でした。盛り沢山な短編集だなぁ。