小太刀賢のアーティチョーク茹でました

役者・小太刀賢が、日記のような週記のような、日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログです

気味が悪い

みなさん、こんばんわ。

 

Twitter「MOTHER」のことが流れてきて、「MOTHER2」のラストダンジョンのことを思い出した。あのダンジョンはとても気味の悪いダンジョンだった。ダンジョンのグラフィックもそうだし、BGMもそうだし、そこに出てくる敵の手強さや厄介さもそうだし、そういうのが全部合わさって、胸にべっとりとこびりつく気味悪さがあった。

 

あの気味悪さは、ゲームを進めていく上でのよいハードルであったと思うし、ラストを盛り上げるためのいい演出だったなと思う。でもそれは、ただ驚かせるためのグロテスクなグラフィックであったり、容易に進ませないための異様な難易度であったりという、記号的な気味悪さではなく、そうあるべきな必要性があったからこそ、心底嫌だなぁと思えたのだと思う。そこまでの過程と、それ以降の出来事を結びつけるための過不足ない気味悪さだったんじゃないかなと。だから僕は、嫌だなぁとは思うけれど、それで「MOTHER2」を嫌いになることはない。むしろ、あのダンジョンがあってこその傑作だと思っている。

 

料理に辛さや苦味がいいアクセントになるように、作品にも多少苦々しい部分はあった方がいいのかもしれない。でもそれは、あくまでアクセントであり変に目立ってはいけないし、かと言って少なくては影響を与えない。そのさじ加減は、作品にどれだけ忠実かということなのかも。そういや僕が好きなバッドエンド作品も、そこにはきっちりそのエンドになる理由があった。下手に小細工して誤魔化しちゃいけん、そういうことなのかな。