小太刀賢のアーティチョーク茹でました

役者・小太刀賢が、日記のような週記のような、日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログです

終わりまして

みなさん、こんばんわ。

 

10月10日に劇場での公演を終えた、たすいち「レプリカシグナル」、本日21時でアーカイブ配信も終了となりました。

配信でご観劇くださいましたみなさま、まことにありがとうございます!!

f:id:kantoku87:20211027194305p:image

これにて公演全てが終了となりました。まだ実感は薄いけれどそれでもやっぱり寂しいものだ。でも、劇場での公演が終わってからさらに2週間以上の時間をこの「レプリカシグナル」と共に過ごせたというのは、すごく豊かでいい時間でありました。ありがとうございます。

 

公演が終わったので、僕が演じました海月くんについてちょっと。

 

死んでしまった恋人の心菜をVR上で作ろうとしていた彼。配慮の足りない無神経なことで、個人のエゴによることをやっているように見える彼も、死者を蘇らすネクロマンシーな行いをやろうとしていたのではないと思うのです。むしろそれは蘇らすのとは逆に、しっかりと葬るための行いであったように思う。

 

心菜自身は弔われていても、関わった人の気持ちやその人の中で生きる心菜という存在が同じように弔い切れるとは限らない。しかも海月くんは図らずも、VR上で自分の中の心菜を蘇らせてしまったのだから。その生まれてきてしまった彼女を葬らないことには次に進むことができない。その為の劇中での行動だったんじゃないかなと思うのです。

 

しかしやり方はどうしたって自分勝手だ。いくらエゴを消そうとしたって、自らの想いから生まれてしまっている以上、自分を切り離すことはできない。それでも自分が自分であるためには、周りを傷付けてでも進まなくてはならなかった。傷から生まれる罰を受けてでも、進まざるを得なかったんじゃないのかな。そんな彼は人間的であり情けない。彼を突っぱねることは、どうも出来ないんだよなぁ。