小太刀賢のアーティチョーク茹でました

役者・小太刀賢が、日記のような週記のような、日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログです

幸福な飲み物

みなさん、こんばんわ。

 

昔食べたり飲んだりしたもので、もう一回味わいたいなぁってもの、あったりしますよね。どうしても忘れられないあの味を、なんとかいつの日か味わいたい。それは狂おしいほどの切なる思いではないけれど、機会があれば巡り会いたいものだという、そんなひそかな思い。

 

僕にとってのそれは、ヴェネツィアで飲んだホットチョコレートです。

 

大学終わりのひとり旅で行ったヴェネツィア(実際は途中で母親が来たからその時は母と一緒でした)、その時は2月ということもあり身体の芯まで凍えてしまうような寒い日でした。

 

ヴェネツィアをふらふら歩き疲れて、どこかで一休みとたまたま目に付いたカフェに入ってみる。コーヒーを注文しようとふとカウンターをみると、なにやら機械が動いている。透明な容器の小型冷蔵庫くらいのそれの中で、ドロっとした液体あるいは半固体が、ゆっくりと一定にかき混ぜられていた。それは艶やか茶色をしている。もしやあれはとメニューに目を移してみるとそこには、ホットチョコレートと書かれている。なるほどあれはホットチョコレートなのか。あぁやって常にかき混ぜていないと固まってしまうわけね。というわけで僕はホットチョコレートを注文した。

 

運ばれてきたホットチョコレートは、想像の3倍は濃いものだった。見た目からして粘度がすごいのがわかる。ココアに毛が生えたような代物とはわけが違う。なるほどホットチョコレートとは食べ物だったのか、そう感じさせてくれる。

これは早く飲まないと固まってしまうとひと口飲む。ドロっと具合いは想像以上だったが、それよりなによりその味だ。濃ゆくて甘ったるものを思い浮かべていたけれどそうではない。たしかに日本で食べるチョコレートより甘い。でもそれは甘いだけではない奥深さがある。カカオの苦味や旨味が甘さと混じりあって深味となっているようで、飲み飽きることなくぐいぐい飲んでしまった。むしろ、勢いごんで飲むのは勿体無いとスピードをセーブしたくらいだ。

 

そんなホットチョコレートをまた飲みたいなと定期的に思う。寒くなりこれからの季節は特に。イタリアに行けば飲めるよな…行きたい…

 

そういえば、あのカフェで見たホットチョコレートをかき混ぜていた機械、日本で見たことないけどイタリア独自なのかな。どこかのカフェで取り入れたらいいのに。そもそも日本で入手できるのか?

ということで調べてみると、中古品なら手に入れらるみたい。あと最近、ホットチョコレートを簡単に作れる機械が作られて販売に向けて準備されてるとのこと。

 

ふむ、いつの日か気軽にあの濃厚なホットチョコレートが飲みたいな。